今後が心配「ゲーム依存」の問題
学校は、まだ始まっていませんか?
GWが、あけました。
小学校・中学校・高等学校、学校が再開になっているかどうかは、都道府県によって違うと思います。
ちなみに私の息子の学校は今月末までの休校措置が決まっています。
子どもさんたちは、退屈していませんか?
- 図書館があいてなくてもう読む本がないといって困っている
- 朝から晩までずーっとスマホ(テレビ)を見ている
- 朝起きる時間がどんどん遅くなっている
- 寝る時間がどんどん遅くなっていって、最近はいつ寝てるかわからない
- 学校から出されている宿題をやっている素振りがない
などなど、お母さま、お父様がたのなげきは、ごもっともだと思います。
子どもたちの生活リズムは崩れていませんか?
この中で、特に注意しなければならないのは、以下の2つです。
朝起きる時間がどんどん遅くなっている
夜寝る時間がどんどん遅くなっていて、もはやいつ寝ているのかわからない
これ、由々しき事態です。なぜなら、この生活リズムが定着してしまうと、学校が始まった時にすぐには直せないからです。
経済の回復を優先し、学業は後回しにされている印象もあります
これは、特定の都道府県のことかもしれませんが、
「飲食店、スナック、風俗が解禁になったのに、なぜか学校だけが自粛」
ご立腹は、ごもっともです。ただ、「経済活動を優先する」とその都道府県の偉い人が判断したのでしょう。
ここは我々一般人は、腹を立てたとしても結果は変わらないので、では子供をどうするか、という方向に思考を切り替えましょう。
以前、香川県でゲームを制限する条例の話を書きました
そういえば、以前、香川県でゲームを制限する条例が採択されたことを記事にしました。
この条例、新型コロナウイルスのどさくさに紛れてしれっと新年度が始まる令和2年4月1日に施行されています。
でも逆に、「外出自粛」で「ゲーム推奨」の流れも
今回、COVID-19の対策で非難轟々、アメリカからの資金を停止されているWHOですが、
WHOはもともとゲームは依存症を招くとして否定的でした。
しかし、「外出自粛が長期化するにつれ、ゲーム機器メーカーとタイアップ、推奨しているというニュース」があります。
結局、ゲームはいいの?悪いの?もうわかんないよ。
ただ、「ほどほどのおつきあい」が難しいので、ICD-11では「ゲーム症/ゲーム障害」といった項目がさいたくされたのでしょう。
もしまた学校が再開されたとき、
子どもたちはすんなりもとの生活に戻れるでしょうか。
ここが、自粛中も「ほどほどのお付き合い」ができていて、「生活リズムが崩れていない」こどもと、「ゲームに熱中して」「昼夜が逆転した生活をしていた」こどもの、わかれみちです。
戻れない子も、いるのではないかと危惧しています
実際、元どおりの生活には戻れない子がたくさん出てくるのではないかと危惧しています。
現在、当院の思春期外来の新患予約は閑古鳥が泣いているような状態なのですが、
学校が始まった途端に膨大な問い合わせが来るのではないかと思います。
制限を広げるのは簡単でも、狭めるのは大変
制限というのは、「極力狭めに」かけておくことがコツです。
制限を広げるのは簡単ですが、一度覚えた自由を手放せないように、制限を狭めるのはとても大変だからです。
できれば最初から「ゲームについて」話し合おう
これは、本当は「ゲーム機を購入した時」に話し合って欲しいのですが、
ゲームとの付き合い方については、まだ未成年で親元で暮らしている場合は、親子が納得がいくまで話し合ってルールを決めておくことが大事です。
そのときも、親御さんは「制限を広げるのは簡単なのだ」と少し強気で行ってください。
これは「スマートフォンの使いかた」でも同じ
次に、同様のことはスマートフォンを購入した時にも起こります。タブレットも同様です。
納得がいくまで話し合うことが大事です。
「お互いが「我慢」をせずに納得するルール作り」が大事です。
親元を離れてからでは、本当に完全な「自由」となってしまい、正しい付き合いの仕方がわからなくなることがあるからです。
「ゲーム依存」は本人に「困り感」がないので受診に繋がりにくい
「ゲーム依存」での不登校は、通院につながりにくいです。
「本人は楽しくゲームをプレイし」「学校に行くことを絶対に必要と思っておらず」「食べ物など必要なものは親が用意してくれるから」です。
この、「困っていない子ども」を病院まで連れてくるのは至難の技です。
それでも病院と、スクールカウンセラーと、つながる意味はある
それでも、たとえ本人が受診できなくても、「家族の相談」という形でもいい、保健所に相談するのでも構わない、スクールカウンセラーさんからの働きかけでもいい。
どんな形でもいいから「医療」や「支援」とつながっておきましょう。
まとめ
著者は、日本で唯一のインターネット依存病棟を持つ国立久里浜病院に勤務経験のある医師で、今、もしくは今後、必要な知識となっていくのでぜひ読んでみてください。