SNSでの誹謗中傷と集団心理のおそろしさの話。
SNSの誹謗中傷が原因と言われる自殺のニュース
木村花さん、SNSでの誹謗中傷が1日に100件近く、自殺の可能性も。
私は残念ながら、この「木村花さん」という方を、このニュースを見るまで知りませんでしたが、「突然の死亡」というだけで、ネットでは「誹謗中傷だ」「自殺だ」と騒がれ始めました。
これは、おそらく誰か(複数の人)が「心当たりがあった」のだと思います。
過去にもインターネットの誹謗中傷で摘発されたケース
スマイリーキクチさんという芸人さんをご存知でしょうか。
ボキャブラ天国(1992年〜1999年)まで放送されていた人気お笑い番組で、
私はまさに青春まっさかりで毎回楽しく見ていました。
この事件で、スマイリーキクチさんは警察に何度も掛け合い、証拠を集め、訴えを起こします。その件については以下の本に詳しいです。
今回の件についても、説得力のあるツイートをされています。
悪口や中傷に傷つく人はSNSは向いてない、そうじゃない。SNSに向いてないの平気で人を傷つける人。ネットにはルールとマナー、そして人権がある。言論の自由は何してもいい訳じゃない、それは言論の無法。最初に言論の責任がある。命を離すまでどれだけ悩み苦しんだか、もう悲しくてやるせない。
— スマイリーキクチ (@smiley_kikuchi) May 23, 2020
人は集団になるとときとして狂気に満ちた行動をする
子どものころ、そんなことを言って、車が来ない通りで赤信号を渡った経験はありませんか?
ただ、これ、どれだけ怖くなくても「法律違反」です。道路交通法違反。
そういう事実に、今のあなたは気付けていましたか?
ミルグラム実験ってご存知でしょうか?
これは、集団心理というか、「命令系統の恐ろしさ」にも繋がっているのですが、ミルグラム実験というのをご存知でしょうか?
これは、ナチスドイツの強制収容所で、ユダヤ人を殺したりしていた人たちは「自分の頭でそれが良識的なものか判断できていたのか」ということに関する実験です。
「一般市民」が「全く考えることなく」「人をしにいたらしめるほどのダメージを」あたえることがあった、ということです。
これは、誰でも状況次第で加害者になり得ることを意味します。
でも、これが現在のSNSの誹謗中傷にも応用できると考えています。
集団心理・匿名性のなせる技
集団心理について書かれた本を、2冊ほど紹介させていただきます。
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左側の本は、たくさんの事例をもとに、群衆心理について説明した本です。
右側の本は、「いじめ」ということに特化して、なぜいじめがなくならないのか、ということについて書かれています。今回の件にも通じる部分があります。
今はインターネットに本当の匿名性などないに等しい
インターネットというのは「匿名性」を謳われていますが、それは基本的に真っ当なことをしているからです。
真っ当なことをしなくなったら、「匿名性」は担保されません。
Twitter社は誰がどこで何をしているのかを把握しており、弁護士の「情報開示請求」があれば、発信者の情報を弁護士に提供します。
要するに「悪事を働けばすぐに個人特定など用意」ということです。
今、「誹謗中傷と戦うこと」は「無駄金」を注ぎ込む道楽の様相
この金額を見れば明らかだが、問題は誹謗中傷に抗する為に多額の費用が掛かり、尚且つ、回収出来ずに持ち出しになりかねない点。これでは一般人は勿論、有名人でも二の足を踏んで当然だ。
★ネットの誹謗中傷への対応、身元特定までの費用はいくらかかるか|マネーポストWEB https://t.co/zFI3CMx1KJ pic.twitter.com/k7TzSi4H8b
— 日本国黄帝 (@nihon_koutei) May 26, 2020
ただ、現在はこのツイートにもある通り、事件にするための金額が高過ぎます。
これだけのお金をかけても、相手が無職の生活保護であった場合は、「勝訴」しても「裁判費用の回収」すらできないからです。
このため、泣き寝入りをしている人は多かったと思います。
「裁かれることもある」から「裁かれる」時代への転換を期待
「ネット上の誹謗中傷、発信者特定へ制度改正検討 高市総務相」
「泣き寝入りしなくていい時代に」ということで、発信者の特定をスピーディに行われることで、「泣き寝入りせずに裁かれる時代」がくるかもしれません。
「誹謗中傷」は「犯罪」です
誹謗中傷は、犯罪です。スマイリーキクチさんの事件でも不起訴になったり、嫌疑不十分になったりしていますが、それも過去の話です。
民事裁判では、こうやって犯人側に賠償金の支払いを命じる判決も出ています。
【名誉毀損裁判・続報】
私に対する名誉毀損として裁判所から損害賠償約270万円(内慰謝料200万円)と「謝罪文交付」が命じられた件で、さいたま地裁から「謝罪文交付」を履行しなければ「1日につき1万円」の「間接強制金」をX氏に課す決定がされました。(ブログ記事に追記)https://t.co/dzzycJoJNr pic.twitter.com/CU0k8S0FSu— 片瀬久美子🍀 (@kumikokatase) October 4, 2019
「他にもやってる人がいるから」で簡単に手を出すと痛い目を見る
言論の自由をこういうときに声高に叫ばれる方がいます。
みんながやっているから「ノリで」やったりすると、人生を狂わされることもありえます。
誹謗中傷で傷ついている方へ
まとめ
今日はここまでになります。最後まで読んでいただいてありがとうございました!
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