発達障害を持つ女医がこころの病気と健康について語る。
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睡眠〜寝室の環境、寝るまでの行動、気を遣ってますか?

 

毎晩ぐっすり眠れていますか?

 

「最近、どうもぐっすり眠れない」
「寝ても寝ても、疲れが取れないんだよね」

 
今回は、そんな人にこそお伝えしたいことをお話しします。
 

寝るのにもいろいろと段取りが必要!

「子どものころは外で遊んで、夜になったら眠くなってすぐ寝てた。」
「前は寝るのに苦労なんてしなかったのに」

年をとると、睡眠は取りにくくなります

 
ここを読んでくださるみなさん。
あなたはもう、若くないんです。残念ながら。
 

寝るにも「体力」を使います。
 

年をとると、体力がないので寝る時間は早くなりますが、
起きる時間は寝る時間が早くなったよりも「もっともっと」早くなります。

 

一度の睡眠で得られる回復量も減っていく

体力を削ってせっかく寝ても。
「若いときほどの回復」はしません。

 
悲しいですが、これが現実です。
 

寝室の環境、寝る前の行動を見直そう!

え、でも薬なんて飲みたくないよ?

「眠れない=薬」と考えていませんか?
見直せるところは、もっとたくさんあります!
 

寝室の明るさは、どの程度ですか?

実は、真っ暗から少しずつ明るくすれば明るくするほど、睡眠の質が落ちます。
50ルクス程度の明るさしかなくても、優位に睡眠の質を落とします。

ですので、「自分が耐えられるギリギリの暗さ」が良いですね!
 
「寝室はブラインド」というかた、夏に早く目が覚めたりしていませんか?
遮光カーテンに取り替えるだけでも朝ゆっくり寝られたりしますよ。
 

寝る寸前までブルーライトを浴びていませんか?

電子機器が増えて、ブルーライトを浴びない生活は不可能です。
でも、この「ブルーライト」が睡眠の質を下げることは有名ですよね。

 
では、ブルーライトを発しているものはどのくらいあるのでしょう?
(注:ブルーライトとは波長が380~500nm(ナノメートル)の青色光のことです)

  1. ゲーム機器
  2. テレビ(液晶だけでなくブラウン管テレビでも出てます)
  3. パソコン
  4. タブレット

逃げられない生活必需品ばかりですよね。
 
でも、「寝る前1時間は使用しない」ことを徹底してください。
 
ブルーライトカットメガネ使ってるし大丈夫?
 
確かに疲労度は軽減しますが、睡眠にはそんなものは「ただの悪あがき」です。
 

お風呂は、寝る2時間前に

赤ちゃんって眠くなると手が熱くなるのよね。

ご存知のお母さまがた、多いかと思います。
 
人間が眠る時の体温、非常に大事です!
 

人間の体温は、夜は下がることが知られています。
そのため、「体温を下げる」と眠くなります。
雪山で眠くなるのも、「体温が下がる」からです。

 
寝る2時間ほど前にお風呂でしっかり温まって、
暖まった体温が下がる」ときを利用して寝るのがベストタイミング。
 

眠くないのに「寝る時間」だからと布団に入っていませんか?

ベッドや布団には「眠たくなってから」入るようにしましょう。
そうすることで、「ここが寝る場所なんだ」と身体が覚えます。

「でも、明日仕事があるから」
「このくらいの時間には寝ておかないと」

 

逆効果です!!

 
寝室はあくまで「寝るところ」です。
寝るべきはずのところでいつまでもスマホを触ったり、ゲームをしたり。
そういうことをしてしまうと、身体は「寝室」ではなく「遊び場」と覚えます。
 
そういう行動をしていたなら、すぐに見直しましょう。
 
ちなみに、眠くなって布団に入ったのに、
「目が冴えてしまった」場合は一度寝室から出ましょう。
 

朝起きてから、もう一工夫!

起きてすぐの時は、「まだ身体は起きていない」状態です。
「身体を朝に切り替える」ことで次の睡眠がとりやすくなります。

朝起きたら、まずカーテンを開けて日光を浴びてください。
 

どうしてもダメな時に薬

 

唯一おすすめできるサプリメント

基本的に私はサプリメントの類は必要以上におすすめしないことにしているのですが。
体感的にこれだったら危険性も少なくてすすめられるかなと思うのが。


これです。グリシン。アミノ酸のひとつです。
グリシン自体は無味無臭なので、お茶などの飲み物に溶かして飲んでください。
多少の取りすぎは水に溶けるので身体から出ていくと思いますが、
書いてある「1日量」を守ってください。
 

全部試してもダメなら病院で相談

もしあなたが上記のことをひとつも試さずに「眠れない」と病院に行って、
万が一、お薬をホイホイ出してくれる医者がいたとしたら、専門家ではありません。

睡眠にもプロがいます。
精神科・睡眠科・心療内科など。
 
内科の先生が「しれっ」と出す薬の方が、依存性が高かったり副作用がきつかったりします。
相談相手はきちんと選んでくださいね。
 
個人的には、昨日ノベルファーマから発表になった、
発達障害の子どもに効果が認められた「メラトニンを主剤とする薬」
は注目しているところです。
発売後の動向、適応の拡大など、気になる点が多いです。
 

まとめ

まとめ

年とともに「眠りにくく」なっていくのは自然現象です。
「眠れない」と感じたら、部屋の明るさ・生活習慣・お風呂のタイミングなど、
お薬に頼らず眠れるような工夫をしてみましょう。
いろいろ試してみてダメなら、専門家に!相談しましょう。

March 29, 2020 - posted by みずき@精神科医

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