発達障害を持つ女医がこころの病気と健康について語る。
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精神科の患者さんってどんな人?怖いの?

 

精神科にはどんな患者さんがいるの?

ひとことで「精神科」といっても、どんな患者さんがいるのか、想像がつかないという人が多いのではないかと思います。
もしあなたが街の精神科のクリニックに行っている場合は、その待合室を想像するかもしれません。
 
では「精神科病院」にいる患者さんって、どんな人たちでしょうか?

精神科病院に入院する人たちの病気

こんな病気の人が入院しています
  • 統合失調症
    →いまだに精神科病院の半数近くが統合失調症です。何十年と入院しているような、長期入院の方が多いです。
  • 躁うつ病
    →長期に患って精神科病院が家になっている人もいれば、そう状態・うつ状態の時に入院を繰り返す人もいます。
  • うつ病
    →外来治療でうまく行っている人はいいですが、自殺企図や希死念慮など、入院が必要な状態になることがあります。
  • 自閉症スペクトラム障害
    →長年「統合失調症」として入院していたけど実は発達障害だったという人もいますし、社会でうまくいかなくて入院する人もいます。
  • 認知症
    →内科をはじめいろいろな科の先生が見ている認知症ですが、妄想が出たり、暴力が出たり、徘徊して行方不明になったり、家族の手に余るような状態になった時、入院する先は基本的には「精神科」になります。

他にもいろいろな病気の人が入院してくることがありますが、主だって入院している患者さんは上記の通りです。
 
どんなイメージを持ちますか?

精神科の患者さんに付きまとうイメージ

世の中のイメージ?

「ずっとひとりごと喋っててなんだか気味が悪いんだよね。」
「精神科の患者さんの犯罪とかもニュースにあるし、とにかく近寄りたくない。関わったら殺されたりするかもしれない」
などなど

 
とにかく「ネガティブ」なイメージがつきまとうのが、精神科の患者さん。
 

昔は「隔離」が国の方針だった。
でも今は「地域で」暮らす時代に、変化してきている。

東京オリンピックのころは、まだ社会情勢も悪くて、
精神科の患者さんは「とにかく精神科病院に隔離しておく」という時代でした。
 
でも今は、時代が違います。精神科の疾患があっても「地域で暮らしていく」というのが国の方針です(医療費削減の問題もあります)。
ですが、日本は悲しいニュースが多いですね。
「精神疾患の人のためのグループホーム建設の反対運動」
「知的障害者のグループホームの反対運動」
 
医療費削減や「地域で暮らすこと」には反対しないのに、「いざ自分の身近にくると反対する」人たちが、とても多いです。
こういった動きは、「都会だけではなく全国的に」起きています。

「精神科の患者さん」ではなくて「一人の人間」

 
まず、「精神科の患者さん」ってひとくくりにするのをやめませんか。
あなたは、普段誰かと「友達付き合い」をする際には、こんなふうに考えていませんか?

いつもの人付き合い

「あの人は悪い人じゃないんだけど、どうも考え方が合わないから避けてる」とか。
「趣味とか全然違うんだけど、どうもあの人はウマがあって、一緒にいて楽しいんだよね」とか。
「あいつとは酒の趣味が合うから飲みにいくにはぴったりの相手なんだよな〜」とか。
普段の人付き合いって、そうやって決めてませんか?

私が提案することは、それほど難しいことではありません。

「精神科の患者さん」であっても「普段の人付き合いのやり方」で行こう。


これだけです。だって、彼らは「精神科の患者」である前に、「ひとりの人間」だから。
 
精神科の病気、遺伝する部分もあるけど、ただ「運が悪いから病気になった」だけのこともあります。ですから、彼らを「病気の人」とひとくくりにするのではなく、「個人」として見てあげてください。

今は、こうやって統合失調症の方の当事者の方の本も読める時代です。
こういった本は「軽いノリ」で書かれており、お医者さんが書く本よりも読みやすいです。
病気であっても「一人の人間」として暮らす彼らのことがわかると思います。

ただし、これは注意!


もし、あなたの身やあなたの家族、そして家などの建物に「被害」が現れている場合は、警察に相談してください。その人は十分な治療を行われていない可能性があります。

まとめ

まとめ

精神科の患者さんであっても、「ひとりの人間」なので、お付き合いをしてみて、本当に怖い人なのかどうかは判断してください。
そして、地域で暮らしていこうとしている彼らの居場所を奪うような行動(グループホームなどの反対運動)はできればして欲しくありません。

こんな当事者の方の本も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。TwitterやYouTubeもぜひ参考にしてみたくださいね。

April 27, 2020 - posted by みずき@精神科医

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