発達障害(自閉症スペクトラム障害)は治るのか?
発達障害(自閉症スペクトラム障害)」とは
さまざまな呼ばれ方をしている「発達障害」
「発達障害」って聞いたことがありますか?
実は、いろいろな呼ばれ方をしています。
- 発達障害
- 自閉症スペクトラム障害
- アスペルガー症候群
- 高機能自閉症
- 知的障害のない自閉症
- 広汎性発達障害
どれかひとつくらいは、聞いたことがあるでしょうか。
(注意欠如(欠陥)多動性障害は別に議論するのでこの記事では言及していません)
ここでは、全て発達障害(自閉症スペクトラム障害)と書いていきます。
「スペクトラム」って、どういう意味?
ここで「スペクトラム」という聞き慣れない言葉が出てきました。
スペクトラムというのは、どういうことでしょうか。
誰しもグラデーションのようにその特徴を持っていて、
正常か異常かの明確な線引きがない、ということです。
すなわち、「発達障害(自閉症スペクトラム障害)の要素は誰でも持っていて、人によってその「濃さ」が違うだけということです。
どうなると「障害」なのか
ごもっともです。その疑問は当たり前だと思います。
ここのあたりは、精神科医の主義主張や社会情勢、あらゆる要素が絡まってくるんですが。
精神科に来るような大人に限ってリスト化させてもらうと。
- 本人や周囲の生活に「支障」があること
(これがないとそもそも病院にたどり着かないので) - 心理検査や画像・血液検査などもろもろの結果
- 「診察した医師」からの聞き取りや判断
この辺りから「総合的に判断」されます。
例えば、現代に生きているので診断がついたが、
明治時代なら(同じ診療体制があったとしても)診断されなかったであろう、
ということは起こってしまうのです。
ただ、最近は小児科や保健所が「1歳半健診」「3歳健診」とかで気付いたり、
小学校や中学校での「支援級利用」も広がっているので、診断されるタイミングは増えています。
以下の本を読むと曖昧に紹介していることがもう少しスッキリするかもしれません。
発達障害(自閉症スペクトラム障害)の治療について
治療の対象となるのはどんな人?
発達障害(自閉症スペクトラム障害)は、統合失調症や躁うつ病のように、
「絶対に薬を飲まないといけない病気」ではありません。
ですので、薬物療法をするかどうかは慎重に主治医と相談してください。
他の治療方法についても十分に主治医と相談した上で、「医療」から離れないようにしましょう。
(何かあったときの相談の場所があるだけで頑張れるタイプの人もいます)
「これが絶対に効く!」という方法はありません
「発達障害の特徴は濃度の違いはあれ誰しもが持っている」と書きました。
ですから。
しかし「治癒/治る」ことはありません。
治療についても、日常生活の「困りごと」について、対処療法しかありません。
「これを飲めば治る」という薬は存在しません。
「治癒」「治る」と「寛解」の違い
「発達障害(自閉症スペクトラム障害)は治りますか?
という人たちの「治癒」は、適切な医学用語がありません。
一般的には、「健康体に戻る(非病気の状態になる)こと」あるいは>「元の状態に戻ること」のように理解されているのではないでしょうか。
そうなると、
誰しもが持っているものの「濃度差」と「困り感」で定義されている発達障害(自閉症スペクトラム障害)
において、「治る」ということはあり得るのでしょうか?
「発達障害のない健康体」はまだしも、生まれついての濃度、成長に伴う濃度、いろいろ変わるのに、「元の状態」は存在しないです。
「発達障害(自閉症スペクトラム障害)が治る」ことは、ありません。
でも絶望することはありません。
主治医と二人三脚で、少しでも生きやすくしていくことは可能です。
まとめ
次回は、発達障害に関わるニセ医学について言及したいと思います。