発達障害を持つ女医がこころの病気と健康について語る。
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新型コロナウイルス蔓延を受けて精神科単科病院より(所感と覚悟2)

 

新型コロナウイルス感染が再拡大してきました

    
新型コロナウイルス感染症が問題化して
令和2年7月末現在
半年が経とうとしています
     
     
一時期
6月などは
緊急事態宣言の解除など
少し明るい兆しが見えていましたが
    
    
一転して再拡大しています
     
     

愛知や大阪でも1日感染者は記録更新続き

     
これはYahoo!のCOVID-19最新情報ページですが
令和2年7月28日に1日感染者1000人を超え
その後も記録を更新する勢いが止まりません

     
     
そんななか関東だけではなく
愛知県や大阪府
その他の道府県でも
クラスター発生のニュースが続出しています
    
     

最大の人数はやはり南関東

     
しかし
令和2年7月30日現在
1日の感染者が最大で
どんどん増えていっているのは
    
    
東京を中心とする南関東
    
    
といっても過言ではないです
     
     
そこのあたりの統計の問題などは
専門家に譲るとして
     
精神科ではどうなっているのか
前回記事とどう変化しているのか
診ていきましょう
    
    

精神科単科病院ではコロナ対策をどうしているか

     
精神科単科病院でのコロナ対策は
以前の記事でお伝えした通りですし
    
    
七山病院での感染者の話を受けて
わたしが所感と覚悟を表明したのは
先ほどもリンク貼りましたが
この記事でした
    
     
あれから3ヶ月と少し
現在の精神科の単科病院のこと
少しお伝えしていこうと思います

      
      

精神科病院でのクラスタ発生は現在8件

     

これは精神科病院の看護師だった人のnoteですが
これによると令和2年7月10日現在で
新型コロナウイルス感染のクラスタは8件だそうです

    
その後2週間ほどが経ちましたが
発表していく方もキリがない部分があり
各病院HPなどには載せていますが
わたしが把握していないだけで
新規発生はあると思われます

      
      
精神科病院はクラスタが発生しやすい環境だと
いろいろな問題点を洗ってみると
感じている今日このごろです
     
     

一時面会制限を緩めていた病院も制限を再開しつつある

     
全ての病院をチェックしているわけではありませんが
面会制限を求めていた病院もありましたが
6月には少し面会制限を緩めていました
(少なくとも、当院はそうでした)
     
    
しかしどの病院も周囲の発生状況に合わせ
再度、面会制限を再開していっているようです

     
     

いよいよ足元にせまられてきた印象

     
当院のある地域でも
わたしが在住している地域でも
なんなら母校のある地方でも
クラスタや新規感染者が
どんどん増えています

    
     

これを受けてどう思うかと言われると
「ああ、いよいよ足元まで迫ってきたな」
ということです


     
     
これは「いつ」来てもおかしくなかったし
時が来ればそうなる覚悟は、していました

     
     

今後どうやって対策していくか(問題は山積み)

     
前回、精神科病院での新型コロナ対策では
持ち込まれないようにすることが中心と書きました
     
     
では持ち込まれないために
いろいろ対策をしていたけれど
持ち込まれてしまった場合のことを
考えるべきときが来ました

     
     
ただ問題は山積みです
     
     

問題点①任意入院の患者さんについて

     
任意入院というのは
自ら「入院する意思」を明確にした人であり
自らのしんどさをある程度表に出せる人です
     
     
この方たちが問題となるのは
     

「行動制限がしにくい」から


    
です。
     
     
現在の感染症法では
全く新型コロナウイルス感染症が出ていない状態で
病棟を閉鎖することはできません

     
     
任意入院の患者さんの行動制限は
特に人権の問題もあり
「お願い」という形にとどまります
     
     
新型コロナウイルス感染者が出ないと
完全な対策を行えない
ということです

(これを完全に制限している病院は
 人権的に問題ある可能性があるので要注意)
     
      

問題点②:院内完全禁煙からのたばこ問題

      
精神科単科病院には
何年にもわたって入院する人がいます
     
     
病気が激しかったり
地域社会に住む場所が見つからなかったり
     
    
長期化する理由はそれぞれですが
     
こういう患者さんは「喫煙者」が多いです
     
     
今までは完全には院内禁煙にしていなかった病院も
東京オリンピックに関わる法改正で
敷地内完全禁煙にしている病院が
たくさんありました
     
     
この患者さんたちは
通常院外に出て喫煙されていることが多いです
     
     
「病棟を完全に閉鎖」となると
普段と薬の血中濃度の動きが変わり
またニコチン切れのイライラもあり
精神状態不安定になるリスクがあります

     
           
       

それを受けてみずき@精神科医が思うこと

     
このような日本国内の状況を受けて
わたし、みずき@精神科医が思うことは
    
     

  • 新型コロナウイルスが身近に迫ってきた
  •      

  • 自分は医療従事者として外で感染するわけにはいかない
  •      

  • 精神科単科病院は病床数の割に医者が少ないので
    なんとしても医局は死守しないといけない
  •       

  • わたし自身は恒例の両親を抱えており
    持ち帰るわけにもいかないので
    そうなったらどこかに泊まるしかない
  •     

  • ただ一方で患者さんはマスクをつけていないことが多く
    クラスタが発生すると拡大は目に見えてしまう
  •      

  • そんな中で日常でどうしていくか
    今一度、考えておかないといけない
  •   

     
     

まとめ

     

まとめ
  • 新型コロナウイルス感染症が全国的に増加中
  •      

  • 前ほどの行動制限はこの先もないかもしれない
  •      

  • 精神科単科病院は持ち込まれると守りが弱い
  •      

  • ただし行動制限という観点でいえば
    入院形態によって持ち込まれるリスクも高い
  •      

  • なんとか病院を守るためには医師を守ることが重要
  •      

  • いざ発生した時のことは
    繰り返しシミュレーションしています

    
     
以上、本日のまとめでした。
    
単科病院で働いているみなさん、
くれぐれもこの長き戦いを乗り切りましょう!!
    
     

July 30, 2020 - posted by みずき@精神科医

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