発達障害を持つ女医がこころの病気と健康について語る。
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虐待しそう!子どもの脳に取り返しのつかないダメージが起きる前に!

 

児童虐待が増えています

 
在宅勤務が増えて、児童虐待が増えているということはご存知ですか?
でも、今増えている虐待は「暴力」だけではありません。
 

虐待いろいろ
  • 身体的暴力
    →わかりやすく身体に対して傷を負わせることです。ホースで水をかけ続けるなど、証拠の残らないことを行ってもこれに含まれます。
  • 性的虐待
    →子どもに対して性的なことを相手が望んでいないのに行うことです。
     また、「夫婦のセックスを見せる(性暴露)」といった虐待もあります
  • ネグレクト
    →いわゆる「放置子」というやつです。日常生活の面倒を見てもらえずに放って置かれています。
  • 教育虐待
    →本人が望んでもいないのに、「過度な教育」を行うことです。そのために本人がやりたいこと(友人と遊ぶ)などを我慢させたりします。
  • 心理的虐待
    →子どものことを必要以上におとしめる言葉を投げかけます。もちろん、子どもは自尊心を持てずに育ってしまいます。

どうでしたか?自分が知っていた以上に虐待の種類があったかと思います。

虐待する親は、虐待されていた?

 

虐待の連鎖

こういう言葉を、聞いたことがありますか?
虐待をしてしまいそうなあなたは、きっと虐待を受けてきた人なのです。
 

 思ってしまいがちなこと 
  • 「お母さんは私が悪い子だったからしつけてくれただけ」
  • 「お父さんは私にいい学校に行って欲しかったから怒ってくれたんだ」
  • 「お酒さえ飲まなければ、お父さんはいつも優しかった」

優しいあなたのことですから、きっとそう感じて育ってきたでしょう。
 
でもそれ、しっかり虐待されてますからね?
 


この本に書かれているのは全て実際にあったことです(多少の脚色はありますが)。
あなたが今まで忘れようとしてきたことがムズムズして、息苦しくなったりしませんか。
 

虐待は、子どもの脳に取り返しのつかないダメージを与える

 
あなたは、虐待をする以外のしつけを知らないのかもしれません。
人は親を見て育ちますから、虐待を受けてしつけられたら虐待するしつけしかわかりません。
でもそれでも「子どもの脳」には「取り返しのつかないダメージ」が、一生残ってしまうのです。

この本は、昨日の記事でも紹介させていただいた、福井大学で虐待を受けた子どもたちの脳について研究している友田明美先生の本です。
ただ、今日、紹介させていただく本は、「子どもの脳を傷つけない子育て」に焦点を当てた本です。
 
もし、「自分が虐待しているのではないか」と悩み苦しんでいるときには、是非手にとって欲しい本です。
 

それでも虐待してしまいそうなときはヘルプを出そう!

 
あなたはきっと、虐待をしてしまったあとには後悔をしているでしょう。
でも、きっと自分の力だけではやめられないのではないかと考えている。
 

助けを求める例
  • 「実は一人の時にこういうことをしてしまう」と夫に打ち明ける
  • この場合実母の虐待が連鎖していますので、「義母」に言えそうならいう
  • 保健所に電話して、保健師さんに臨時訪問してもらう
  • 一日中子どもといるのがストレスなのであれば、保育園を利用する
  • 「どうしても虐待してしまう」と精神科クリニックに通院する

まとめ

まとめ
  • 虐待をしてしまった親は、かなりの高確率で虐待をされている
  • これは世代を超えて連鎖していく
  • 虐待の連鎖を止めるには「自分の力」だけでなく人の力を借りよう
  • 精神科に通院して、「あなたの傷ついた脳」を治療することも大事

以上になります。もしよかったらSNSでシェアしてくださいね!


April 12, 2020 - posted by みずき@精神科医

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