発達障害を持つ女医がこころの病気と健康について語る。
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非常事態に発達障害の人はどうするべきか〜対応と対策

 

第二次世界大戦以来の危機

日本では、令和2年2月に始まった(と感じている)新型コロナウイルス(COVID-19)の騒ぎですが、まだまだ収束は遠くはるかかなたのことのようです。

国連事務総長が「第二次世界大戦以来の危機」として声明を出しました。

緊急非常事態宣言は、出るのか?

多くの人が気にしている、国家の緊急非常事態宣言が出るのか、出ないのか。
日本には「強権的に」「行動を制限する」法律はありません。
ですので、フィリピンのように「外出自粛を妨げる活動家は射殺する」とか。
ロシアのように「3ヶ月家に引きこもるか、3年刑務所に入るか」とか。
そういうことには「なりません」。

環境の変化に弱い人はどうするべきか

では、発達障害などの、環境の「変化」に弱い人たちはどうすればいいのか。

使えるシステムは最大限、利用する

以前紹介した、薬局での待ち時間を減らす、これ。
こういったサービスを使うのも手。
(しかも、今手続きをしておいたらずっと使えます。)
種類3

現在は電話再診を「許可する」ことになっており、常備薬をもらいに行かないといけない人は、一度かかりつけのクリニック/病院に問い合わせてみるといいでしょう。

訪問看護・ヘルパー・作業所など、「止まらない」サービスは利用しましょう。

自分が「落ち着く」行動をする

誰がなんと言っても「自分が落ち着くこと」を最優先

そのためには、自分がなにで落ち着くのかをわかっておくことが大事です。

  1. とにかく「このぬいぐるみ」「この毛布」さえあればいい、とか。
  2. マスクはしっかりして、でも「朝の散歩」をやめないのが楽、とか。
  3. とにかく「縄跳び」してられたら心が平穏、とか。
  4. オンラインゲームが出来ればいい、とか。

日常のルーチンで行ってたことを、できる限り続ける。
そして、「五感のどれかを刺激」することで、楽しめることを探してみる。

今までだったら興味のなかった「家でできるリラックス法」を模索。
発達障害の人に人気があるのは。

家庭用トランポリンです。この「跳ねる」で落ち着く人、います。
何なら、自宅で「遊べない」とさすがに困っている子どもがいる方も。

私自身は、「ゆらゆらしていいる火」を見ていると落ち着くので、

アロマキャンドルを使ったりします。

ネットの海から離れるのも手

情報が「多すぎる」と、「パニックになる」可能性があります。

「適当に」が苦手なのが発達障害。

ただでさえ、「在宅勤務」だったり「自宅待機」だったりして、
Twitterでもインスタグラムでも、いつもより「みんな発言が増えて」います。

「選べない」ので「見るのをやめ」ましょう。

いくら見てても、選べるようにはなりません。
それどころかどんどんどんどん頭がパンクしていきます。

こんなところでいうのもなんですが、
インターネットから離れましょう。

発達障害の子がストレスを溜めているご家庭へ

災害時、見慣れた近所の風景が「ブルーシート」で覆われていただけで、
「変わった!!」
と落ち着きがなくなってソワソワする子たちが、います。

そういうご家庭は、日々の対応に困られていると思います。

「慣れるまで」の時間が必要かもしれません。
また、「現在の状況に慣れ」た場合、元に戻るのも大変かもしれません。

無理な時は、行政に連絡しましょう

一人で抱え込んで苦しくなる前に、助けを求めましょう。
親御さんが休息するために「入院させる」ことも、選択肢のひとつです。

また、親御さんも、発達障害の人も、
「一人でクールダウンできる場所」
を持ちましょう。
トイレでも、台所でも、勝手口を出たところでも、「一息」が大事。

生活は狭められていますが、「緊急の窓口」は減っていません。
先が見えず不安ですが、不安への対処を行いながら、乗り切っていきましょう!

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

April 03, 2020 - posted by みずき@精神科医

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