発達障害を持つ女医がこころの病気と健康について語る。
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発達障害女子と子育て。問題が多発する話。

 

発達障害女子、母になる

今や人生の選択肢は多岐にわたりますが、発達障害女子が母になることもあります。

発達障害だから子どもを作ってはいけない、なんてことはないですよね。
(昔は、自閉症だから、知的障害だからと不妊手術が行われていた時代もありました→ハートネットの特集記事がわかりやすいです。)
ですから、発達障害の女の子が、子どもを産むことは、十分にあり得る時代です。

発達障害女子は、「子育て」できるのか

では、「発達障害女子」は「無事」に「子育て」できるのでしょうか。

でも、産んだからには子育てしないとダメでしょ?できるできないの問題じゃなくて、やらないと。

こんなお叱りの声が飛んできそうです。

全く問題なく子育てできる人もいます。それは事実です。
でも、そうでない場合の話を、ここでは深めていきたいと思います。

私自身は、発達障害の人には「ASD成分とADHD成分が混ざっていて、どちらが濃いかで表面上の問題が変わってくる」と考えているのですが、今回はASDとADHDは分けて考えたいと思います。(この、成分が混ざっている話は私の独自理論なので、反論などある先生もおられると思いますが、本題ではないためご了承ください)。
 
また、子育てをきっかけに発達障害に気づかれる人もいると思いますので、自分には無縁かな?と思っても読み進めることをお勧めします。

自閉症スペクトラム障害(ASD)で起きる問題

自閉症スペクトラム障害で起こりうる例
  • 「赤ちゃんの泣き声」で聴覚過敏でしんどくなる
  • 「旧に赤ちゃんが泣く」ので、パニックを起こす
  • 「ミルクをあげる」「おむつを替える」で赤ちゃんが泣き止まないとパニックになる
  • 「赤ちゃんを中心とした生活」で自分ルールが崩れてしんどくなる
  • 「赤ちゃんが夜泣き」すると、どうしても睡眠が分断されてイライラがたまる
  • 「理想の母親像」に自分がなれていないのではないかと落ち込む
  • etc・・・

どうでしょうか。これは私自身の経験も少し入っているので、実際体験済みのこともあります。

注意欠如多動性障害(ADHD)で起きる問題

注意欠如多動性障害で起こりそうな例
  • 不注意で子どもに怪我をさせる
  • 子どものために必要な書類がどこに行ったかわからなくなる
  • 医療受給者証や保険証をなくす
  • 気付いたらワクチンの期間が過ぎている

どうでしょうか。多動や衝動性は年齢と共に落ち着いたとしても、不注意が残りやすいのがADHDの特徴です。母となった時点でも、不注意は残っていると考えられます。

「子どもを産まない」という選択

そんななかで、「子供は産まない」と決めている発達障害女子の方もいます。
でもそれは、その人の人生の選択であり、他人がどうこう言うことではありません。
不用意に「子どもまだ?」「産まないの?」「ありえない」などの暴言を吐かないように気を付けましょう。

意外と多い、発達障害女子の本の紹介

実は、発達障害の女性が書いた本って多いんです。
こういったところにも、発達障害の女性が子育てで感じる悩みのヒントがあるでしょう。

こちらは、子どもを作らないと言う選択をしているご夫婦の本です。

苦しくなったら、助けてもらおう

いろいろなドタバタはあると思いますが、「孤立」しないでください。
苦しくなったら「助けて」と言ってください。
あなたはひとりじゃありません。

私自身、日中子どもと2人でいるのがとてもつらくて、保健所に電話をかけ、
保健師さんの訪問を受けたことがあります。無料だし、何回かきてくれました。

「子育て」は、「ひとり」で「完璧」でなくていい



親はなくても子は育つ

昔から言われていることわざですよね。
これが実際に全てのケースに当て嵌まるかどうかは分かりませんが、
親が完璧でなくても子どもは育ちます。うちの子ももう中2になりました。

まとめ

まとめ
  • 発達障害女子も、母親になることがある
  • 子どもを産んだことをきっかけに発達障害に気づかれる人がいる
  • 「女だから」「自然と」「母になれる」人ばかりではない。
  • 子どもの一挙手一投足でパニックを起こしたりしんどくなったりすることもある
  • 自分の不注意で子どもが怪我をしてしまうこともあるかもしれない
  • 困ったときは、しんどくなったときは、ぜひ他人を頼ろう
  • 保健所に電話すると、保健師さんが相談に乗ってくれたり、訪問してくれたりします
  • 「完璧な親」である必要は、まったくありません

今日は以上になります。本日紹介した書籍はどれも素敵な本で読みやすいので、おすすめです。